プロレスが教えてくれたこと

プロレス観戦歴28年で学んだことの教訓が中心。ニュースなども取り上げます。

教訓5:イデオロギーという言葉【プロレスで知った】

みなさんはイデオロギーという言葉を知っていますか? 

 

簡単に言うと「考え方、思想」のような意味なのですが、

この言葉、昔はプロレスメディアで、よく使われていました。

 

例えば、下記のような一文です。

 

武藤敬司VS高田延彦、この試合は新日本プロレスUWFイデオロギー闘争だ。

 

プロレスでは、だいたいイデオロギーは争います。

試合前の対立構造を煽る手法になるので、当然と言えば当然です。

 

選手、もしくは団体のイデオロギーにファンは共感し、

他の選手や団体と対立構造が生まれると、それぞれのファン同士が熱狂していき、

大きく盛り上がりを見せていきます。

 

ここから学べる社会に通じる教訓は、

イデオロギー(考え方や思想)は人間ならではの個性で共感を呼ぶ

ということです。

 

遡ること25年程前、まだインターネットの無い時代に、

プロレス情報を通じて、私は「イデオロギー」という単語と初めて出会いました。

 

聞いたことのないカタカナ用語、それも濁点が二つも入っている、

得体の知れない言葉の響きに、私は興味を覚えました。

 

今思えば、辞書で調べれば良かったのかもしれませんが、

読んでいたプロレス雑誌にも定期的に使われていたので、

自然と意味を理解していった感じです。

 

前後の文脈から意味を推測し、なんとなく「価値観」的な意味であることは、

わかっていきましたが、それだけではない、もっと深い何かも感じました。

 

理念や信条というか、ちょっとやそっとでは折れない強い主張のような。

なにせプロレスでは、イデオロギーは対決することが多いので。

 

ちなみに、ググると下記のように解説されています。

 

イデオロギーとは】

 人間の行動を左右する根本的な物の考え方の体系。観念形態。

 思想傾向や政治・社会思想。

 

なにやら重く、深いですね。

 

一見、肉体的な競技に見えるプロレスというジャンルで、

イデオロギー闘争という精神的な戦いがあることは、プロレスの魅力の一つです。

 

他のスポーツで例えるとわかりやすいかもですが、 

例えば野球を扱うメディアで、

イチローVS松坂大輔の対決は、イデオロギーのぶつかり合いだ。」とか

表現しているメディアは、まず見たことがありません。

 

身体能力や技の競い合いだけでなく、

どのような考え方を持っているかを、プロレスラーは表現し、それが個性となります。

個性のぶつかり合いは、見ていて面白いです。

 

インターネットが進化し、あらゆる情報がお手軽になっていくなか、

考え方や思想というと、ちょっと面倒くさい気もしますが、、、

人間らしさという意味では、魅力ではないでしょうか。

 

スポーツは、やる側も見る側も人間である以上、ファンの心を揺さぶるのは

超人的な身体能力以上に、個性的なイデオロギーへの共感なのかもしれません。

 

現代プロレスでも、自分の考えを発信して煽ることが上手な内藤哲也選手が、

圧倒的に人気があるのも、上記の理由が関係していると思います。