教訓4:多様性の素晴らしさ【リング上の神様たち】
プロレスラーは多様性にあふれています。
古くからベビーフェイス(正統派)やヒール(悪役)という存在がいて。
スタイル別にも、力自慢のパワーファイターがいれば、丸め込みが得意なテクニシャン、空中殺法を扱うマスクマンや、蹴りや関節技が主体の格闘系レスラーなど、
様々なキャラクターやスタイルが存在し、見る人を飽きさせません。
例えばアントニオ猪木とジャイアント馬場。
馬場の身長はとても高く(2m9cm)、猪木の顎はとても長い(長さ不明)。
もちろんルックスだけはなく、ファイトスタイルも異なり、
馬場はゆっくりだけどダイナミック、猪木は怒りや殺気を表現するいわゆるストロングスタイル。
そこに、カブトムシ(メス)に似て短足だけど、怒った姿が男らしい長州力や、優柔不断で急に前髪を切るけど、イケメンでマッチョ体型がかっこいい藤波辰巳(辰爾)といったレスラーがいて。
武藤敬司にいたっては、グレート・ムタという別人格のキャラクターがあり、一人でベビーフェイスとヒールを使い分けます。
他にもジュニアと呼ばれる軽量級のレスラーや、マスクをかぶったレスラーなど
具体例を挙げればキリがないのですが、プロレスラーは多様性にあふれています。
そして、個人の好き嫌いを除けば、どのキャラクターやスタイルが一番といった順位の概念はありません。
どのスタイルでも基本的にはリング上では受け入れられる。
「みんな違ってみんな良い」という世界観です。
子どもの頃からプロレスを見ていた私は、自然と上記のような感性を持つようになりました。
「同じであることの共感」だけでなく「違っていることの面白さ」は素晴らしい。
違うことで、ワクワクするし可能性を感じ、試合がスイングしたとき(かみ合ったとき)は違ければ違うほど、感動します。
多様性やダイバーシティといった言葉も知らなかった約30年前に、
プロレスから学んだことです。
当時、聖闘士星矢というギリシャ神話をモチーフとした漫画も好きだった私は、
プロレスラーを「神話の神様たちみたいだな」と思ったりもしていました。
レスラーの人並み外れたルックスや常人離れした身体能力が、私にそう思わせたのかもしれません。
子供心に影響していたのかもしれません。
多様性やダイバーシティの必要性が聞こえてくる現代に先がけて、
その下地としての感性を、プロレスから学ぶことができて良かったと思います。